Story

ジャパンメディックの開発ストーリー

新たな商品の誕生は、ある小さなひらめきから。
「のどが痛いとき、うがい薬を使うけど、もっとよく効くものできないかな?」
「炎症を抑える薬に、原因菌を殺菌できる成分を追加したらどうだろう?」
こうした研究室での些細な会話をきっかけに、「AZ&CPCうがい薬」の商品開発がスタートしました。

新たなうがい薬への配合成分を、炎症を抑える成分「アズレンスルホン酸ナトリウム水和物」と殺菌成分「セチルピリジニウム塩化物水和物」の2つに絞り、開発に着手。
ところが、2つを溶かせば出来上がり……というほど簡単にはいきません。この2つの成分を水に同時に溶かそうとすると、析出して濁ってしまいます。これでは、成分が不均一で、きちんとした効き目を得られません。
そこで、2つの成分を同時にうまく溶かし込むため、開発部員たちの試行錯誤が始まりました。さまざまな成分や組み合わせを検討、数百にも及ぶ試作を繰り返し、ついに2つの成分を同時に溶かすことに成功しました。溶媒としてグリセリンを用いること、あるpH緩衝剤を選択することが成功の鍵となりました。
国内初となる、抗炎症成分に殺菌成分を追加した処方を製剤化することには成功しましたが、成分の組み合わせが初めてとなるため、安全性や有効性の検証が重要です。
2つの成分を同時に使うことで、お互いの効果が打ち消されないか?あるいは、お互いに作用を増強し合って、副作用が出ないか?動物を用いた薬理試験、微生物を用いた殺菌試験を行いました。試験計画を立て、外部の試験機関とも連携しながら、検証を行いました。

商品アイデアが出てから、製剤化の検討、安全性や有効性の評価を経て、
ようやく商品として世に出すことができます。
このうがい薬のアイデアが出てから店頭に並ぶまでにかかった時間は約5年。
小さなひらめきを商品というカタチにするため、様々な検討や検証を重ね、
一つ一つのステップを進めていきます。

ジャパンメディックの特長

「くすりの富山」として知られる通り、富山県において医薬品製造業は300年以上の歴史を誇る伝統産業です。2015年に都道府県別医薬品の生産金額で全国1位となって以降、最新データの2017年まで、全国1位の生産金額を誇っています。

全国の医薬品生産額に占める富山県の割合

出典:平成27年薬事工業生産動態統計年報より編集

富山県内の医薬品製造業の生産金額全体のうち、69.5%を受託製造が占めます。(2015年現在)
対して、ジャパンメディックは医薬品生産金額全体のうち、97%が自社製造。商品の企画開発から生産・販売まで一気通貫で手掛ける自社製造主体の製薬メーカーです。

医薬品の生産額に占める自社製造と受託製造の割合

出所:日本政策投資銀行

その理由は、外用剤に特化し、商品のコンセプトの発案から実際の商品化までを行う、企画開発力の高さにあります。

自社製造の業務範囲 受託製造の業務範囲

「こんな商品があったらいいな」という生活者視点と、「この有効成分を使えないか?」といった技術者視点両方の着想から、処方の検討、薬事申請、商品化といったステップを、開発部門のメンバー一丸となって、ときには大手製薬メーカー様と協力しながら進めていきます。