ヘパリン類似物質に関するさまざまな疑問を、セキひふ科クリニックの院長であり、富山大学医学部医学科・臨床教授でもある関太輔先生に実際に聞いてみました。
目次
Q1.
ヘパリン類似物質は顔に使っていいのですか?
A1.
ヘパリン類似物質は、顔に使用しても問題ありません。基本的に体のどの部分でも使用することが可能です。
Q2.
顔の中で、使ってよい部分と使ってはいけない部分はありますか?
A2.
顔全体に使用しても大丈夫です。しかし、目や口に入らないように注意する必要があります。
Q3.
たくさんの量を使って問題はないですか?
A3.
使用する量に特に制限はないので、患部の広さに応じて量を調節して使用してください。
Q4.
期待される効果はなんですか?
A4.
ヘパリン類似物質には高い保湿作用があり、乾燥した肌に潤いを与えます。
Q5.
尿素との大きな違いはなんですか?
A5.
ヘパリン類似物質と尿素は両者とも保湿剤ではありますが、尿素は角質溶解作用があり、バリア機能を低下させます。尿素は肘や膝など、角質が厚く硬くなった部位の保湿に適しています。
Q6.
ヘパリン類似物質に副作用はありますか。
A6.
これといった副作用はありませんが、まれに刺激を感じたり、赤みが出たりする方もいらっしゃいます。そのような場合は使用を中止して、医師にご相談ください。
なお、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)をお持ちの方や、血液凝固抑制剤を服用中の方は、ご使用を控えてください。
Q7.
何歳から使用できますか?
A7.
使用年齢に制限はなく、赤ちゃん(新生児)から高齢者まで幅広い年齢層の方に安心して使っていただけます。
Q8.
火傷、水疱、湿疹、にきび、手荒れなどの中で使用に向かない症状はありますか?
A8.
炎症がある部分には、ヘパリン類似物質の単独使用は向きません。やけどをした直後(急性期)、水疱、炎症の強い湿疹なども避けた方が良いです。にきびは、肌の乾燥が悪化因子のひとつですので、肌が乾燥している場合は併用します。手荒れは、軽症であれば単独で用いますが、ヒビやアカギレを伴うような場合は、お薬との併用がよいでしょう。
Q9.
傷口、割れた部分、切れた部分に使用しても良いですか?
A9.
傷口、割れた部分、切れた部分などへの使用は避けてください。
Q10.
使うタイミングはいつがおすすめですか?
A10.
使うタイミングや頻度に特に制限はありません。手を洗った後や入浴後など、必要に応じて塗っていただければよいです。
Q11.
ほかの外用剤と併用する際、塗る順番や併用してはいけない製剤はありますか?
A11.
基本的に塗る順番はさほど問題になりませんが、乾燥が主体の場合は、ヘパリン類似物質を先に塗ることをお勧めします。併用できない外用剤は特にありません。
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